少子高齢化や人口減少の進行、経済停滞等に直面している現状を打破し、未来を切り拓いていくための最大のカギは「人」です。
とは言え、これまでと同じ枠組みの中で、同質・同列の競争の中で秀でた人材を引き続き育成していても、必要な変革を社会にもたらすことはできません。
これからの時代で必要となるのは、問題の本質を的確に見定め、これまでとは全く異なるアプローチを思い付き、それを多様性溢れる仲間と共同して情熱的に実行に移す力を持つ人材です。
この考え方に基づき、GOAL=目指すべき社会(福岡市)の姿を次のように掲げます。
① 誰もが自分らしく伸び伸びと活躍できる都市
② 誰もが安心して暮らせる都市(=伸び伸びと活躍するためには、まず安心して暮らせる環境が必要という意味において、②は①の前提となる)
③ 持続可能な都市(=①及び②を実現・維持するためには財政的な安定性や環境保全が必要という意味において、③は①及び②の前提となる)
<潜在能力を最大化させる教育への転換>
人はそれぞれ、才能や能力だけでなく「学び方」(学習スタイルや学習ペース等)も異なります。
この前提を無視して、画一的・強制的に押し付けられる「全員同じ教育」からいち早く脱却し、生徒一人ひとりに合わせた教育(個別最適化された教育)への転換を進めることが必要です。具体的には、特に公立学校において、
・ 生徒一人ひとりの興味・関心に基づく個別最適化されたカリキュラムへの転換
・ 「学校」という枠に囚われず「実社会」を巻き込んで「リアル」に学ぶ教育の導入
等が必要です。
たまたま学校や教師、教え方に合わなかったばかりに疎外され取り残される生徒をゼロにし、誰もが自身の内に秘める潜在能力を最大化させることこそ、子ども一人ひとりの自己肯定感を高めるとともにこの国を立て直す原動力を生み出すことに繋がると確信しています。
<多様性を尊重する社会へ>
【学校】
「一人ひとりが大切な人であり、それぞれ違うことを受け入れ、互いに尊重すること」や「人に迷惑をかけたり傷つけたりしてはいけないこと」といった社会秩序を保つ基本精神の遵守を前提とした上で、「自分らしさ」に関わることを過度にコントロール(抑制・阻害)する仕組み(校則等のルール、制服、号令、姿勢の強要等)を撤廃するべきだと考えています。
ただし、学校や時代によって最適な仕組みは異なるため、一律かつ強制的に校則等の廃止を含めた改革を行うのではなく、各学校の「生徒自治」により必要な改革を進めることができる環境を整備します。この方法により生徒の多様性が解放されるだけでなく、校内政治への参画を通じた政治意識の醸成も行うことが可能となります。「どうせ変わらないから」という諦めや「自分たちには関係ない」という距離感の遠さから政治参画が遅れている若者世代に対して、学生時代に「自分たちの暮らし(=学校生活)を自分たちの手で形作っていく」という経験を積む環境を提供することは、社会に出てからの政治参画に大いに繋がると考えています。
【職場】
フレックスタイム制(働く人が日々の労働時間の長さ・労働時間の配置を決定することができる制度)を励行するとともに、「労働時間ベース」から「生み出す価値ベース」の評価・給与体系への転換を行うことにより、QOL(生活の質)及び労働生産性の向上を図ります。
<「力ある者」を埋もれさせない>
【女性】
単なる女性の権利運動としてではなく、多様性の観点からみても女性の持つポテンシャルを活かすことには極めて大きな意義があります。主要国を含む諸外国に比べて圧倒的に女性に偏っている家事・育児の時間の男女間格差を是正すれば、労働力の観点からみても大きな効果が期待できます。
【高齢者】
「生産年齢人口」は「15歳以上65歳未満の人の数」と定義されており、多くの企業で65歳が定年とされているため、まだまだ現役で活躍できる経験豊かな労働者が65歳を迎えると強制的に引退させられてしまっています。
⇒ 多様性・労働力という観点のみならず、誰か(社会)の役に立つことでお金をもらって生きていくという生き甲斐の観点からも、こうした「力ある者」を阻む「性別」や「年齢」の壁を壊し、その就職を支援(※)することはQOL(生活の質)を向上させるとともに社会全体の活力を生み出すという点において非常に重要な政策です。
(※)具体的な支援策の例
・ 働きたい女性や高齢者と企業の多様な雇用をマッチングする機会を創出・周知する(「どういう人が足りないか、欲しいか」という企業側の需要と、「そういうことがやりたい人、できる人」という働き手側の供給をマッチングさせる)
・ 女性従業員の産休・育休や男性従業員の育休取得率、65歳以上の高齢者の雇用率が一定基準を超える企業等に対する助成金の交付・表彰等によるインセンティブの付与
<貧困をなくす>
【直接的支援】
コロナ禍で生活苦に追い込まれた事業者や世帯収入が一定基準未満の世帯(ひとり親世帯を含む)に対する給付金の支給など、「必要な人」に「必要な額」の経済的支援を行うべきだと考えます。
【間接的支援】
生活困窮者が自身に必要な支援を受けるための手続きをより簡素化・簡便化し、より伝わりやすい手段・方法を検討するとともに、相談窓口の名称等についてネガティブな印象を想起するものから変更することにより、生活困窮者が感じる物理的・心理的ハードルを解消することが必要です。
<安心して歩けるまちへ>
自転車通行空間の整備を推進し、歩行者・自転車・自動車が安全に通行できる空間を創ります。
また、分煙環境を整備するとともに、時間帯や歩行者数等に応じた柔軟な「路上禁煙地区」(※)の指定等により、深刻な問題として捉えるべき路上喫煙に伴う受動喫煙による健康被害を防ぐことが必要です。
(※)現在、福岡市では「天神・大名地区」と「博多駅周辺地区の一部」を「路上禁煙地区」に指定。
<ペットと暮らせる特別養護老人ホームの活用>
超高齢化社会が進行し、要介護認定者や認知症の人の数が増える中、ペットとともに入居できる特別養護老人ホームを活用することにより、愛するペットと離れ離れになったり、独り暮らしの家に残して見捨てることになったりする悲劇を防ぎ、家族の一員であるペットとの触れ合いを通じた高齢者の心身の健康の増進を図ります。
(副次的効果として、ペットの殺処分件数の削減にも繋がります。)
<無駄なコストをなくす>
非合理的・非生産的な政策を廃止することは必要ですが、闇雲に人員・人件費等の削減を行ったり、将来世代への投資を削ったりすることは却って逆効果になりかねません。
ICTを活用して自動化可能な分野には最大限自動化を導入するとともに、行政機関・民間企業においても科学的根拠に基づく業務改善を徹底的に行うことにより、コストの最小化・最適化を進めることが、行政の財政基盤の安定化や環境に優しい都市づくりには不可欠です。
<経済成長に繋がる投資>
まさに「① 誰もが自分らしく伸び伸びと活躍できる都市」の実現、つまりそれぞれが持つ潜在能力を最大化させた多様な人材が活躍できるようにすることこそが、経済成長を導き、社会を変革させ、ひいては明るい未来を切り拓いていくことに繋がると確信しています。
政治は、一部の声が大きい人の言うままに政治家が好き勝手にする舞台ではありません。大局的な視点から、市民一人ひとりのためになることを実現するための舞台です。
市政に求めることがあれば、事務所までお気軽にご相談ください。
何ができるか、一緒に考えましょう!